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Study Abroad Report
​-留学記-
BGU Murnau
渡航者:田城 翼(助教)

留学先:BGU Murnau(ドイツ・ミュンヘン州・ムルナウ)

​留学期間:2023年3月〜2023年4月




 
・留学のきっかけ
 本海外研修は、3年間にわたる国際共同研究への関わりがきっかけとなった。2018年、国際学会European Society for Movement Analysis in Adults and Children (ESMAC)に本研究室の教員が参加し、BGU Murnauの研究者と知り合った。その後、実際にBGU Murnauのバイオメカニクス研究所を訪問し、先方の超音波画像装置を使用した研究技術を教わり、国際共同研究が始まった。報告者は、この国際共同研究に2020年より参加し、複数回にわたるオンライン会議も経験した。この度、BGU Murnauとのさらなる国際共同研究の発展の機会を得るため、本海外研修を希望した。
・留学先での研究活動内容
 研修先となったバイオメカニクス研究所では、主に整形外科的疾患患者の筋や腱などを含む軟部組織の動態を調査する研究を学んだ。2週間のスケジュールの中で、施設見学や患者計測、計測データの解析を実施した。先方のバイオメカニクス研究所では、超音波画像装置と三次元動作解析装置を同期することによって、歩行中のヒトの筋や腱といった軟部組織の動態を評価している。滞在中は、研修生である報告者にもパソコン1台を貸し出して頂き、データの解析を行なった。具体的には、”UltraTrack”と呼ばれるBモード超音波画像上で筋線維の長さと方向の変化を追跡するソフトウェアを使用して、腓腹筋内側頭の筋線維長を算出する技術を教わった。
画像1.jpg
歩行解析研究室のスーパーバイザーと
研修先BGU Murnauの外観
・留学先での生活
 BGU Murnauが位置するムルナウは、人口が約1万2千人、面積が38.05k㎡の小さな町である。ミュンヘンから70km程南下した地点にある。3月末から4月上旬の気温は、平均最高気温8℃、最低気温−1℃であり、ダウンジャケットで寒さを凌いだ。滞在した2週間のうち、雨が降らなかった日はなく、1日の中でも天候が素早く変化するため、雨具も必須である。報告者は、1泊70ユーロのアパートメントに滞在した。キッチンが常設されていたため、料理をすることができた。研修中の昼食は、”Mensa”と呼ばれる食堂で5-6名のドイツ人研究者と毎日食事をした。週末には、電車を利用し、近隣の都市を訪問した。海外でのスーパーマーケットでの支払いや駅でのチケットの購入など、慣れないながらも少しずつできることが増えた。見るもの全てが初めてで、活動の範囲を広げただけでなく、視野も大きく拡げることができた。
​留学中の生活拠点
アパートメントから見えるムルナウの景色
・留学を振り返って
 2週間の研修期間であったが、感動の毎日であり、時の流れを長く感じた。先方のバイオメカニクス研究所では、全研究員17名がドイツ人であり、ドイツ語に不慣れな報告者には英語で話かけてくれた。実験中や食事中にはドイツ語が飛び交っているが、勇気を持って英語でコミュニケーションを図ると優しく会話してくれた。時には、研修先の研究者やアパートメントの宿主から夕食に招待して頂き、ドイツ料理を囲んだ。異なる言語や人生背景を有する研究者らとコミュニケーションをとり、異なる文化を理解することは、それ自体が魅力的であると感じた。本海外研修を通じて、研究のノウハウのみならず、ドイツの文化に触れることができたことは、非常に貴重な経験であった。
​お別れのプレッツェル
・将来の展望
 これまでBGU Murnauとの国際共同研究を通じて、相互にデータの共有を行い、2022年に1報目の英語論文を報告している。本海外研修中に、新たな共同研究プロジェクトを開始したため、帰国後は2報目となる英語論文の作成を目指して、データ解析に取り組む。また、将来的にはBGU Murnauの研究者を広島大学に招聘し、さらなる国際共同研究の発展を狙う。
・謝辞
 この度、ドイツでの2週間にわたる海外研修を支援して頂きました浦辺教授、前田准教授、小宮助教、大学院生の皆様に心より感謝申し上げます。今後は、本海外研修で経験した知識や技術を活かし、広島大学での研究活動により一層精進して参ります。さらに、今後留学を志す学生の皆様の一助となるよう、貴重な経験を伝えていきたいと考えております。
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